暖冬と言われた今年、大雪を避けて3月に開催したのに、拍子抜けするほど暖かい金沢での開催となりました。チラシの配布とFacebookでの広報を中心に、そこから横のつながりでどんどんと参加者が増えていき、北陸三県を中心に、愛知、岐阜、東京、埼玉、新潟と多様な地域から84名が参加し、満員の会場で熱い研修となりました。基礎研修のプログラムである「依存症とソーシャルワーク」「依存症と家族」「依存症と連携」の講義ののち、最後のグループワークでは「いま私たちに何ができるだろう」というテーマのもと、AAメンバーと、家族会メンバーの体験を伺い、研修の仕上げとして、それぞれのグループで「これからの回復支援のキャッチフレーズを考える」というディスカッションをし、キャッチフレーズを分かち合いました。
終了後の懇親会にはなんと27名が参加。その場で手持ちの入会申請書を持ってくる方あり、11月の全国研究大会実行委員会への立候補あり、と新たな仲間とつながる瞬間でした。この勢いと盛り上がりで、11月の全国研究大会へと進んでいきたいと思います!
参加者からの報告
今回、アルコール・アディクション基礎研修2019in金沢に参加させていただき、全体の講義を通して「その人らしく生きることをあきらめない」という言葉が強く印象に残りました。日々の実践の中でPSWとして「その人らしさ」や「本人の望む生活」を一緒に考え目指していきたいと強く思いながらも、様々な場面において本当にこれでいいのか、もっとできることはないだろうかと感じ葛藤することが何度もあります。今まではその葛藤に対してどうしたら良いのか分からず、立ち止まってモヤモヤするばかりでしたが、今回の研修から、一緒に本人と一進一退をしながら進んでいくことが重要であり、そのためには「本人の回復を信じる」ことが大前提であるとともにとても大切なことだと改めて気づくことができました。私たちPSWは支援者という立場でありますが、相手から学ばせていただく機会がとても多いのではないでしょうか。一人ひとりと関わらせていただく中で、その人の人生を教えていただくことに感謝しながら一緒に共有し理解を深めていくことが必要なのではないかと感じました。
また、アディクションについては、お酒やくすりが本人にとってどのような効果をもたらすのかといった視点が本人理解に繋がることを学びました。私は今まで原因やきっかけに着目していたこともあり話すことに戸惑いを感じ、なかなか切り出せずにいました。しかし、「なぜ必要なのか?」といった視点を持つことによって、原因の追究よりも話を一緒に共有できることを学び、明日からでも実践に取り入れていきたいと感じました。
最後に、研修を通じて自身のかかわりを振り返ることができたとともに、いろいろな場所で熱い思いを持って実践している仲間がいることを知り、私ももっと頑張ろう!といった気持ちになりました。まずは自分自身ができることを考えながら、本人や周囲の支援者との繋がりを大切にして日々かかわっていきたいと思います。また、「なぜ」「どうして」といった相手を知りたい、教わりたいといった姿勢を持ち続けるとともに、その人らしさはどこにあるのだろうかと考えながら理解を深めていきたいです。「その人らしさをあきらめない」ことは決して簡単なことではないと思いますが、その人が自分らしく生きていけるようあきらめずに一緒に悩みながら一歩ずつ進んでいきたいと思います。