人狼TLPT「夏雲を仰ぐ村」

人狼TLPT「夏雲を仰ぐ村」

人狼TLPT 夏雲を仰ぐ村

今年最初の夏休みを7月30日に取ってきました。
この日は、娘とその友だちに連れられてインディペンデントシアター2ndへ。

インディペンデントシアターは1stも2stもお芝居を観に何度も行っているんですが、この日はちょっと様相が違います。人狼 ザ・ライブプレイングシアター(TLPT)、深夜のTV番組でも題材にされていた人狼ゲームをモチーフにしたお芝居です。

ウチの娘はあまり人狼ゲームに限らず、ゲーム系にはあまり詳しくないのですが、なんたってワタクシ、かつてはゲーマーですからね……、娘の友だちがこの人狼TLPTにハマってなぜか話が合って、連れられて行ってしまうことになりました。

ある村で、かつて賢者が施した封印を内側から破られ、3匹の人狼が蘇った。
登場人物は13人。
賢者の末裔・コーダとその新妻・ニーナ、神父クリス、双子の踊り子ドリスとオードリー、国境騎士団の団長ダンカン、奏者ノエル、菓子職人デイジー、仕立屋テイラー、油売りのラウル、髪結いバーバラ、未亡人キャシー、自由人メイソン
10人の村人は全滅を避けるため、潜んでいる3匹の人狼との戦いを始める。

人狼ゲームをモチーフした舞台はオープニングの5分ほどを除いてあとは完全なアドリブ。3匹の人狼も、人間側で人狼を退治するための能力を持つ予言者、狩人、霊媒師や人狼側に付く狂人も舞台が始まる10分ほど前にくじ引きで決められるという徹底ぶり。
登場人物も観客も人狼が分からない状態で繰り広げられるお芝居、登場人物の関係性もその場で作られるので、新妻ニーナの夫が賢者コーダだったり、踊り子が双子だったり、未亡人キャシーと髪結いバーバラは村のバブルを支えた(?)ライバルだったりといったエッセンスが加えられます。

初日の議論はお互い探りながら。自己紹介やこの日の関係性の中で投票先を選んでいきます。能力者が出ると展開が違うのですが、この日は発言の少なかった新妻ニーナが夫の賢者コーダにも疑われて処刑されます。
その日の晩、人狼は残った人間の一人を襲うのですが……
翌朝、舞台には12人が登場。狩人が人狼の襲撃から村人を守ったようです。

本来、これで村人側は少し有利になりそうなんですが、二日目の議論で油売りラウルが予言者であること、人狼を見つけたと宣言。それに対抗する形で菓子職人のデイジーも予言者であることを告げますが、こちらは占った奏者ノエルが村人だとしか言えません。
どちらを信じるかの投票になり、ラウルが疑った踊り子のドリーが処刑。

翌朝、村人の中で殺されたのは前日に予言者を自称していた菓子職人のデイジー。
夜に人狼に襲われているので、残されたメンバーには「村人」であったことは確定なんですが、ここでもう一人の踊り子オードリーが霊媒師を宣言し、処刑されたドリーが人間であることを告げ、残された自称予言者のラウルが偽物だと言うのですが、それに合わせて前日に村人として襲撃されたデイジーに「村人」と予言された奏者ノエルが自分が本物の霊媒師だと宣言し、オードリーが偽物として疑われ処刑されてしまいます。

翌朝……未亡人キャシーが襲われ、残りは8人。神父クリスが油売りラウルの予言を聞き、その矛盾に気づいて彼を偽物だと糾弾するのですが……

油売りラウル

ラウルは慌てることなく、自身が人狼であることを宣言。そして、奏者ノエルが冷たく言い放ちます。「お前は今どういう状況だか分かっているのか?」

狂人である奏者ノエルを含む人狼3匹が生き残るストレートのバッドエンドとなりました。

物語の展開次第で上演時間も大体1時間半~2時間になる舞台。村人側のストレート負けで一番上限時間が短い公演でしたが、観客も3日目の夜(ただし、2日目の夜に襲撃された者と3日目に処刑された者の正体をオープンにする前)に人狼とそれぞれの配役を推理したり、観客は墓友(このお芝居では、観客は物語の始まる前に人狼に食い殺された村人という設定)として、死んでしまった人たちと夜は会話したり予想したりする時間があって本当に面白いお芝居でした。

終演後は一緒に行った娘の友だちとお互いの推理を話したり、それぞれの戦略を評価したり。個人的には本物の予言者のデイジーがカミングアウトするタイミングが悪すぎたと思っていたんですが、今展開を確認しなおすと狂人だった奏者ノエルを予言したのは運が悪かった(予言では狂人か単なる村人かは分からない)ですね。
いやぁ、話が弾む弾む。

カーテンコールでは自由人メイソンが「人狼TLPTだけは本当に誰にでも薦められるお芝居」と言うてましたが、本当に初見でも楽しめるお芝居でした。個人的には人狼TLPT「だけ」というのには引っかかりますが。
登場する役者さんたちは人狼ゲームに慣れていて、舞台でも100ステージ以上プレイしているので議論の展開が早すぎて、付いていくのに必死ですが、それもまた魅力です。

村人の設定だと役割が変わってもそのうち飽きるよなぁと思っていましたが、人狼TLPTのホームページを見に行くと、登場人物を新撰組の隊員にしたり、スチームパンク風にしていたりするので、なるほど、巧いなぁと思ったり。

観劇後、ついつい人狼TLPTを検索して、ゲームクリエイターや棋士とのプレイを見てしまっています。
面白かったぁ。また大阪でも公演して欲しいなぁ。

公演名 人狼 ザ・ライブプレイングシアター
サテライト#01 :夏雲を仰ぐ村
公演期間 2015.7.23(木)〜7.30(木)
場所 インディペンデントシアター2nd
サイト 人狼TLPTホームページ / /

私がこの記事を書いたよ!

アバター画像

があ 男性

大阪生まれ・育ち・勤めの雑食系公務員。 福祉職だと勘違いしている人が大多数ですが下っ端事務職。濃い顔付きから沖縄人やらトルコ人やら間違える人大多数。違う、違うんだよ~

トップへ