春のがあさんぽ「私の1枚 ー日本の写真史を飾った巨匠101人ー」@細見美術館

仕事の代休で平日にお休みを頂けたので、ソメイヨシノの時期を過ぎて落ち着いてるかなと思って京都に向かいました。
目的は友人が運営として携わっている細見美術館。そして、もう一つは先日ネットで偶然見つけた写真で映っていた光景の体験。

細見美術館「私の1枚 ー日本の写真史を飾った巨匠101人ー」

http://www.emuseum.or.jp/exhibition/index.html

写真感光材料の生産から始まり、日本における「写真」を永く支えてきた富士フイルム株式会社は、2014年1月、創立80周年を記念して「フジフイルム・フォトコレクション」を立ち上げました。
このコレクションは、写真術が渡来した幕末明治から銀塩写真が最盛期を迎えた20世紀に活躍し、高い技術と感性で国内外において高い評価を受けた101人の写真家たちの銀塩写真の粋を示すものです。後世に残すため、優れた技術と高画質の銀塩プリントでよみがえったこの写真群は、日本の写真史を飾った写真家自身またはご遺族それぞれによって選ばれたとっておきの1枚です。

今回の企画展は1860年代半ばから2001年までに撮影された101人の写真家の101枚の写真。

写真に詳しくない人でも一度は見たことがあるんじゃないかと思う前田真三さんの「麦秋鮮烈」のような有名な作品から、最近はネットでも幕末から明治の写真として取り上げられる鶏卵紙に彩色を施した趣のある写真も見ることができます。

林忠彦「太宰治」

個人的には、林忠彦さんがバーでくつろぐ太宰治を撮影した一枚は初めて間近に見てちょっと感動しました。
この写真は銀座文春画廊の裏にあるバー「ルパン」で、織田作之助さんと坂口安吾さんの対談中に太宰から「俺も撮れ」と言われ一枚だけ撮影した写真なんだそうで、エピソード込みで凄く良い写真ですよね。そういえば、漫画「文豪ストレイドッグス
」で、こんな企画もあったなぁ。

他にも著名な人を撮影した作品では、大竹省二さんの「ヘルベルト・フォン・カラヤン」の構図が素晴らしかったです。

風景写真も目を惹かれるものがたくさんあったのですが、個人的にはあまりウチが撮らない人物写真やスナップに興味津々。
長倉洋海さんの「一人、山上で本を読む戦士マスード」は周囲は山しかない草原で寝転がって読書に没頭するアフガニスタンの政治家マスードがとにかく印象的ですし、木村伊兵衛さんの「秋田おばこ」は秋田美人を象徴する一枚ですが本当に美しく見ほれてしまいます。
そして忘れられない一枚が田沼武能さんの「流行の真知子巻きでおつかい」。昭和30年に東京・佃島で撮影された作品ですが、所在なさげな表情でありながら目一杯生きている少女の姿に目が離せなくなりました。

素敵な展示を紹介いただいて本当にありがとうございました。

イベント名 私の1枚 ―日本の写真史を飾った巨匠101人―
開催期間 平成27年3月5日(木)~5月17日(日)
開催場所 細見美術館
交通手段 地下鉄東西線・東山駅より徒歩7分
京都市バス(31/32/201/202/203/206系統)・東山二条・岡崎公園口停留所より徒歩3分
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