- 2014年10月14日
キャラメルボックス「無伴奏ソナタ」嵐の中、圧巻の千秋楽
台風19号が列島を縦断する三連休の最終日。朝からそわそわとしながら、空模様を眺めていました。ほぼ昼前まで青空さえ見えた大……
先ほど「貞子3D」をTVで見ていたのですが……酷かったなぁ、コレ。
公開当初、当初の「呪いのビデオ」から「呪いの動画」のに興味を持って見に行こうかなと思っていたのですが、なんかコレヂャナイ感の漂うプロモーションに不安を覚え結局見に行きませんでした。
……正解でしたね。コレ、映画館で見てたらぶち切れてたかもしれん。
最近ではもう完全に貞子も出オチ芸人のような扱いで、環境省のクールビズ推進のキャラクターになったり、始球式で子貞子と一緒に登場してナイスピッチングしたりともう何がなんだかよく分からなくなってしまっています。
戦国武将や戦艦ですら”萌え”る国ですから、こういったキャラクター化に反対するわけじゃないんですが、あまりにも貞子のネタ化が早すぎて、娘までもお笑いだと思う始末。
元の原作小説が結構好きなウチとしては、これはちょっと悲しすぎるので、この機会に改めてお薦めしてみたいと……未読の人は読んでよ……ホンマに。
1991年に執筆されたホラー小説。
雑誌記者である浅川(原作小説は男性、映画版は女性)は、偶然知った怪死事件から「呪いのビデオ」の存在を知る。
「呪いのビデオ」を見たものは、それからちょうど1週間後に急性心不全で死んでしまう……浅川はオカルトめいたその事件を記事のネタにしようと考えていたが、不注意で呪いのビデオを見てしまい、その後妻子まで見てしまう。
浅川が見た「呪いのビデオ」はダビングされたものであり、呪いを解く鍵になる部分が消されてしまっていた。
自身と妻子の命を守るため、K大学文学部大学の哲学科講師の友人・高山と共に呪いを解くために奔走する。
呪いの元凶になる女性が山村貞子。顔を覆い隠した長い前髪を揺らしながらテレビから這い出てくる表現は映画版で初めて登場したのですが、以降、「貞子」と言えば、このイメージがついていますね。
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=4p5RFvhDND0[/youtube]
物語は浅川、高山が1週間のタイムリミットまでに貞子の呪いを解く方法を探り、高山がその謎を解くのですが……
見事などんでん返しで、ぞっとする恐怖を残して物語が終わります。
基本的にホラー小説があまり好きでなかったのですが、ラストのどんでん返しの巧さに、読後一瞬放心してしまいました。
「リング」で死亡した高山を司法解剖することになった監察医の安藤。
解剖中に、高山の胃から謎の数列が書かれたメモが見つかる。高山の死を不審に思った安藤は、高山が死の直前に「呪いのビデオ」について探っていた事を知る。
前作の「リング」のメインとなった「呪い」というオカルト要素を、「未知の伝染病ウィルス」という医学的要素で説明するという驚きを見せた作品。
そして何より物語の最初から「前作で最後に謎を解いたはずの浅川が、実は謎を解いていなかった」という前作からのの「どんでん返し」で、一気に物語にのめり込まされてしまいます。
この作品のラストにもぞっとする恐怖を読者に与えます。読み終えると、「リング」で掴んでいた世界が歪んでしまうような錯覚を覚える位の怖い作品です。
……物語の概略を書くこと自体がネタバレになってしまうので書けません。
前作の「らせん」同様、前作の世界を一変させるとんでもない「どんでん返し」を冒頭から仕掛けます。
山村貞子、その呪いはなんだったのかを前作、前々作のシーンを別視点から見せながら3作を通した一連のシリーズの大団円を迎えます。
物語の内容は全く違うのですが、バック・トゥ・ザ・フューチャーや米国ドラマのLOSTのような登場人物、出来事のリンクが巧く、シリーズを通して読み終えたときの満足感の高い作品です。
出オチ芸人の貞子に興味を覚えた人はぜひこちらの原作小説にも接してみて下さいな。
コメントを書く