『SDGs×観光まちづくり』まちの魅力を誰が伸ばす?

SDGs(Sustainable Development Goals・持続可能な開発目標)をテーマにしたゲームを『SDGs×観光まちづくり』を体験してきました。

SDGsをテーマにしたゲームは様々なものがありますが、旅行会社のJTB、クレジット会社のJCBが共同出資するJ&J事業創造が開発したこちらのゲームは名前の通り「観光を通じたまちづくり」から見たものです。

持続可能なまちづくりを12の視点で体験する

このゲームは、ある町で暮らす・働く12の役割をプレーヤーが担当します。

テーブルは6つ。旅行会社と観光施設、行政と観光まちづくり会社、大学と地域住民といった具合に、比較的、まちづくりや仕事の現場で近い関係にある役割を担当するプレーヤーが向かい合わせに座ります。

テーブルには、それぞれの役割が取り組むことのできる事業、地域での取り組みがカードにして並べられています。

今回、私が担当したのは「観光施設」の運営者。役割ごとのゴールも設定されており、私の場合はゲーム終了時に5,000万円の資金を確保(開始時は2,000万円)していることです。

全4ターンでできることは、事業、地域施策を各一つ実行する(実行しなくてもよい)こと。事業、地域施策は他のプレーヤーに譲る(事業委託する?)ことはできませんが、どの施策に取り組むかを話し合ったり、資金のやり取りや貸し借りなどは可能です。

それぞれができること、それぞれが持つゴールを目指してゲームをプレイすることで、「「食」と「買い物」」「自然・文化・歴史」「観光施設」「顧客体験」の4つの地域の魅力が変化していきます。

観光地をつくることが目的ではなく、観光という視点から「持続可能な」まちづくりとは何なのかを自然と考えさせられます

今回のプレイでは、地域の魅力の総計は12から19と伸びたものの「自然・文化・歴史」は損なわれた結果に。観光施設運営者としての私は自身のゴールを達成することはできませんでした。

同じテーブルにいる旅行会社担当のプレーヤーとは作戦を練りましたが、他のテーブルとの話はどうしても後回しに。それぞれのプレーヤーのゴールを目指した行動は、地域の魅力を上げたり下げたりするので、観光施設運営者として取れる施策は限られてきます。タイミングを逃すと思っていた効果を得ることもできず、手持ちの資金は先細りになります。

なるほど、できる限り色々な立場の人と話すことで、効果的な手を打つこともできるようになる。

でも、難しいんだよね。同じテーブル以外の別業種の人と地域の未来を語る機会が現実にでもあるかというとそうでもない。お互いがそれぞれの利益、ゴールだけを考えて行動しているとどこかで歪みができてくる。

どうしても自分自身が持つカードを元に未来を語りがちななか、「こうありたい」という到達点から逆算してバックキャスティングで考えることで、「持続可能なまちづくり」が浮かんでくる

あぁ、これ、今、私が一緒に取り組んでいる『SIMULATIONおおさか』と同じ考え方だ。

しっかりと気づきのあるゲームでした。

これ、できる限り色々な業種や立場、年齢の方と一緒にプレイした方が効果が強そう。いやぁ、面白かった。

ファシリテーター養成もありますが、さすがに公務員やりながらだとライセンス料をペイできないので残念。少しでもプレイできる機会が増えるといいな。

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