夏の学びの大本命。学校ごっこはホントに楽しい「みんなのサマーセミナー2017」

先週のIKOMAサマーセミナーに引き続き、今週は尼崎市の「みんなのサマーセミナー」に参戦です。

今年で3回目になる「みんなのサマーセミナー」は、市立高校での開催。年々規模が大きくなって、昨年が2日間で300講座と言っていた講座数も、今年は2日間350講座と、もう選び放題。と、いうか同じ時間帯に聞いてみたい講座が複数あって困る、困る。

尼崎市、尼崎市教育委員会ががっつりと主催で実行委員会に関わっていますので、稲村市長と箕面市の倉田市長、生駒市の小紫市長、熊本市の遠藤教育長が子どもの教育についてパネル討論する硬派な授業から、高校生が主体的に防災・減災について考える授業、皆でピタゴラスイッチをしようという授業に、現役大学生が「夏休みの宿題教えます!」という授業まで、硬軟織り交ぜた授業に大人の子どもも参加している生徒皆の目が本当にキラキラとしています

ということで、サマーセミナーの雰囲気だけでも知って貰えればということで、私が参加した授業をご紹介。

5日1限目 元漫才師公務員の「お笑い行政講座」

1限目は「地図好きに贈るオープンストリートマップの使い方」「うでわ念珠を作ってみよう!」「いまどき性教育講座」「誰でも出来る大道芸講座」「神々と妖怪の都市空間論」など聞いてみたい講座がめじろ押しやったんですが、結局こちらへ。

尼崎市職員の江上昇さんは、昔、松竹芸能に所属していた元漫才師公務員。
同じくヨシモトに所属していた桂山智哉さんとコンビを組んで、大人気のこの講座を開催しています。

ハミダス #01「ワライ・ハミダス」 元芸人公務員が繰り出すコミュニケーション術の極意

2017.01.20

以前、私も呼びつけて無理やり開講していただいたんですが、その時も大好評。
私も含めて一般的にコミュニケーションスキルの低い公務員にとっては、新鮮な授業(講座)ですし、今回のようにオープンな場では公務員以外の人にどう聞かれるのかなぁと思って参加したんですが、子どもたちも含めてもの凄く前のめりに参加しているのが印象的でした。

今回、桂山さんは仕事の関係でお休みだったんですが、アシスタント的な役割を務めた同じく尼崎市の職員の難波さんがこれまた素敵。
どこまでが台本で、どこが天然なのか分からないボケを繰り出し、機材のトラブルが発生して江上さんがパソコンで修正しようとしたときには「元漫才師のパソコンの中身ってこんな感じなんですねぇ」といじるというなかなかの業師ぶり。

授業は、江上さんが自己紹介を兼ねて、尼崎市を愛のあるいじり方で紹介し、そのあと自己紹介で使われていた「お笑いのテクニック」を解説していくという作り。
「お笑いのテクニック」は50もの数に体系的に分類して、実際に活躍している芸人さんたちを例に分かりやすく説明します。

あ、個人的には50の分類のあとに出た+1のテクニックが大好きです。

そのあとは実践編ということで、「ツッコミをマスターしよう」ということで町にあふれるツッコミどころを紹介。ここでは参加していた将来有望なお子さんがツッコミ倒して、大盛り上がりでした。

いやぁ、以前お招きしたとき以上に洗練されている「お笑い行政講座」。もの凄く良かったです。ウチが職員の担当やったら、真っ先にお招きしたいです。うん。

5日2限目 体質改善って出来るのかなぁ?

実は、2限目だけは「これに行こう」って決めてなくて、フラフラッと教室の前に貼ってあるタイトルを見てこちらへ。
講師はトータルヘルス協会の内山浩一さん。

自分自身の体について、「治療・予防は医者の仕事、健康増進は自分の仕事」という言葉が、「おぉ、確かに」と思いました。

こちらの講座は私も含めて、中高年の生徒ばっかりでしたねぇ。

5日3限目 行き過ぎた町おこしが太鼓の怪獣を呼び覚ました!

3限目は「フリーペーパーをつくろう!」「『チューブロック』でオリジナル向上を作ろう!」「夜カツ!ビブリオバトル」などにも気を引かれながら、取り組みが面白そうなこちらに。

2限目とは違って、こちらの参加者は子ども(役所的には「就学前の児童」)が一杯。あぁ、怪獣に会いに来ているんやな。

三和市場は、阪神・尼崎駅の側にある小さな商店街。
商店街の活性化というと、日本中どんな町でも抱えている悩みかもしれません。
実際、私の勤めているでもいくつかの商店街の皆さんが色々な試みをしているんですが決定打はありそうでないもの。

この商店街では市制100周年に合わせて、は「平成ゴジラシリーズ」を手掛けた漫画家・西川伸司さん、キャラ設定をライトノベル作家・馬場卓也さんに協力を仰いで怪獣ガサキングを制作。ゆるくないキャラクターを商店街のシンボルにしてしまいました

実際に登場したガサキングα。本気の造形で、ついつい興奮してしまいます。なるほど、こんなやり方もありやよなぁ。
結局のところ、商店街の活性化に限らず、大人が本気で何かにのめり込むって大事な要素だと思います。
ガサキングの映像を作るにあたって、学生やまだ目の出ていない映像に携わる人が協力しており、そういう「次の世代を育てる」という町の大切な要素もチラッと話していました

ガサキングは登場すると同時に子どもたちにもみくちゃにされて、途中からは撮影会になってしまったので、もう少し深い話が聞けたら良かったんですが、まぁ、こうなるわなぁという感じで。

6日1限目 映像で遊ぼうプロジェクションマッピング

2日目は、自分が今興味を持っているものをストレートに選んで受講してきました。1限目はプロジェクションマッピングについて、(合)カットレットの大岩雅典さんのお話。

プロジェクションマッピングというと、私も毎年アイコンにしている大阪の中央公会堂の年末のものが一番身近なものなんですが、とにかく大がかりなイメージです。ところが、今回のパンフには「アプリで簡単にできる」ということが書かれていたので、それは面白そうと思って受講しました。

授業では、プロジェクションマッピングの仕組みと、同社が手がけたプロジェクションマッピングの実例を紹介したあと、実際にスマホアプリと小さなプロジェクターを使って簡単なプロジェクションマッピングを実践してくださいました。

Optoma Projection Mapper
Optoma Projection Mapper
開発元:Reo-Tek
¥600
posted with アプリーチ

私も嫌いな某施設のプロジェクションマッピングをを引き合いに、プロジェクションマッピングを「客を釣る餌」と言い切って、プロジェクションマッピングをメインにするんじゃなくて、町づくりの一企画として使っていければというのは本当に同意できました。

パーソナルプロジェクター欲しくなってきた。

6日2限目 ファシリテーショングラフィックの基礎編!

2限目は尼崎市ファシリ部が開催したファシリテーショングラフィックの基礎講座。……尼崎市の職員はホンマにパワーあるな。

ファシリテーショングラフィック、ここ最近めっちゃ気になっていました。こういう綺麗なまとめを見る度に、「ウチもこういうのできたらええな。」と思ってたんですが、なにしろを取るのがとにかく苦手な私。さらに字は汚いし、絵も苦手……なので、こういうのはできないと思っていました

授業は同じテーブルに座った4人で、言葉を使わない「絵しりとり」でスタート。「絵心はなくてもなんとなく伝わる」ということを体験させたうえで、模造紙の貼り方、の持ち方、強調の仕方と基礎の基礎から教えてくださいました。

「少数意見をきちんと書く」とか「書き始める前に型をある程度考えておく」、公用の議事録との使い分けとか公務員の講師に向けた質疑はなかなか貴重でした。

この日のまとめはこんな感じ。いやー分かりやすい。
ついこの間、区政会議でグループワークの書記をやったんですが、本当に巧くまとめられなくて凹みがちだったんですが、これはちょっと実践したくなりました。

6日3限目 マインドマップで脳の力を高めよう!

2時間目に引き続いて「書く」ということでマインドマップについて学びに。講師は公認マインドマップインストラクターの阿部壮一郎さん。

マインドマップって一時期流行ったと思うんですがどうなんでしょうか?
私はあの多色使いの色と、他人が見てもよく分からない絵だらけのマインドマップが苦手で、「考え方に興味はあるけど、時間をかけて学ぼうとまでは思えない」ものでした。
サマーセミナーのように気軽に触れられる、しかも公認のインストラクターが話すならということで、ふらっと寄ってみた次第。

本来、基礎編でも8時間くらいのコースを50分で話すということで、さわりもさわりといった感じの授業でしたが、マインドマップの思想についての部分は分かったような感じ。

「好き」と「やってみたいこと」のマインドマップを各自簡単に書かせて、周囲の人と自己紹介するというワークは面白いですね。

その後は「私の夢」ということで、欲しいもの、やりたいこと、こうなりたいの枝を伸ばして、最後に人生のミッションについて考えるという思考の拡散でした。

どちらかというと自分自身の脳に浮かんだ言葉やイメージをどう放出し拡散させるのかということに注力して、考えを深めるとかそういう所に向くのかなぁという感じでした。ちょっと自分には向かないかもしれません。

マインドマップって、他人が見てもよく分からないというイメージだったんですが、講師の書いた「新型インフルエンザ対応」のマインドマップは、とかにもなっていて「こういう使い方ができるのか!?」という新鮮な驚きでした。

今年のサマセミも本当に面白かったです。ラジオ体操や合唱、風紀委員の注意事項伝達など朝から「学校ごっこ」を徹底して作っているのが分かりますし、大人も子どもも本当に楽しく過ごしているのが印象的でした
役所的には「の取り組み」という視点でどうしても見てしまうのですが、夏休みの二日間、「学校ごっこ」という形で「学ぶ」ということを「遊び」に変えてしまうサマセミ。やっぱり凄すぎます。いいなぁ、尼崎市。生徒として2年参加すると、先生として参加してみたくなる……

みんなのサマーセミナー
開催期間 2017年8月5日(土)・6日(日)
場所 尼崎双星高等学校
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