書籍「それ、勝手な決めつけかもよ?」

阿部広太郎「それ、勝手な決めつけかもよ?」自分の気持ちに素直になって「解釈」する

書籍「それ、勝手な決めつけかもよ?」

書籍「それ、勝手な決めつけかもよ?」大阪が好き、自分が好きを伝えたい

言葉にすると恥ずかしいし、「だから、なんだ?」と言われるような気になってしまう。
ポジティブな感情よりも、ネガティブな反応を気にして動けなくなってしまう。

阿部広太郎さんは著名なコピーライターで、以前、公務員と学生のオンラインイベントで登壇された。「コピーライター×公務員」というだけでも面白いのに、何しろ話す内容がまた面白い。
自己発信に後ろ向きな公務員の背中を「言葉」でそっと押す、そんな話しぶりにもう夢中になった。

そんな阿部さんが新著を出版された。
コロナ禍であらゆる予定、あらゆる見込み、あらゆる希望、が変わってしまった。

「やってらんねぇ」

公務員の私だって、そんな風に思ってしまう。

そんなときにこの一言だ。

「それ、勝手な決めつけかもよ?」

阿部さんの言葉はそっと心に「侵入」してくる。
「なんだよー」と思いながら、そんなタイトルの新著を読んだ。

「今は、何かを創造する時間」ニュートンはそう解釈した

17世紀、アイザック・ニュートンが学位を所得したころ、ヨーロッパではペストが大流行。大学も閉鎖になり、彼は故郷に帰ることに。

コロナ禍の今に通じるようなそんな境遇で、ニュートンは大学の「休校期間」を「創造的休暇」と解釈していたという。

阿部さんは、このエピソードを新型コロナで緊急事態宣言が発令された頃にこうツイートした。

私たちと同様にコロナ禍での変化にまいっていた(はず)の阿部さんも、このツイートをきっかけに自身が行う講座「言葉の企画」を単にオンライン開催にするのではなく、「積極的解釈」を中心にすえて開催。

この本では、その講座「未来に待ち合わせするための連続講座『言葉の企画2020』」でのエピソードを中心に、コロナ禍に限らず、未来の自分を信じるための「積極的解釈」をするための言葉が詰まっている

自分の仕事「公務員」を積極的に解釈する

自分の名前の由来を漢字や言葉の意味から解釈していく、好きな人と嫌いな人に名前をつけてみる、そんな課題での「解釈」のあとに紹介されたのは、自分の仕事について。

「自ら意識的に選び取ってきた仕事」

そんな風に解釈しても、この1年半、思う通りにならないことばかりで疲弊している人が多かったはずだ。そんな中で、受講者に問いかける。

「あなたは今、どんな仕事をしていますか?」

名前を付けることで、自分自身の力になる。
で披露された100人の「自分の仕事に名前を付ける」が紹介されている。その中でも、やはり気になるのは私自身の仕事「公務員」だったり、かつて関わってきた仕事。

自治体編集「地域の自己肯定感爆上げサポーター」
福祉業「社会の『大丈夫』を増やす」
市役所職員「ふつうの暮らしコンシェルジュ」
公務員「日常生活の黒子」

「自己肯定感」「大丈夫」「ふつうの」「黒子」って辺りがいいよね。
それぞれが自分の仕事で、何を核に持っているのかがこの言葉のチョイスでなんとなく垣間見える。

同じ仕事を長く続けていると、仕事を始めた頃の新鮮な気持ちはどんどんと薄れていく。

だから、こうやって自分自身の仕事に名前をつけることで、自分自身の積極的解釈に繋がっていく

私だったらどうなるかな。
公務員になったのも成り行きだし、今までたどってきたキャリアの一つ一つも「これこそが私の仕事」というようなものもピンとこない。じゃあ「公務員」とい仕事が嫌いかというとそうでもない。

自分をおいてけぼりにしない。

自分の心に耳を澄まして、自分の思いを信じる。

自分と協力しながら仕事をつくりあげていく。

あぁ、そうか。

自分に正直に向き合った方が楽だし、いい仕事ができる気がする。

生まれ育った大阪が好きだ、自分が好きなことが好きだ。

「自分が好きな『大阪』の私設応援団」

ちょっとしっくりときた。

阿部さんのように著名なコピーライターに嫉妬することがある。
公務員の世界でも「地方公務員が本当にすごい!と思う地方」に選ばれている公務員のような人には嫉妬する。

「隣の芝生は青く見える」の言葉通り、僕自身も「いいなぁ」と思った経験がある。

忘れちゃいけないのは、自分の芝生もじゅうぶんに青い、ということ。

阿部さんの言葉が、自分の中に「侵入」してくる。

なんだよ。また自分が好きになっちゃったじゃないかよ。


冒頭の「はじめに」↓ここで読めます。

note(

こんにちは、コピーライターの阿部広太郎です。新刊『それ勝手な決めつけかもよ?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の発売…